就労ビザを比較!目的に合ったビザをご紹介
1 就労ビザとは
就労ビザとは、日本で働くことを目的とする外国人が取得する必要がある在留資格の総称として使用される言葉です。
外国人が日本に滞在するためには、出入国管理及び難民認定法に定める在留資格を取得する必要がありますが、その中でも特に日本で働くことを目的とする場合には、就労ビザが必要になります。
就労ビザ(その他、就労が認められる「日本人の配偶者等」の身分系ビザ等)を取得しないまま、就労をしてしまうと、不法就労として退去強制事由になるため、注意が必要です。
2 就労ビザの種類と特徴
⑴ 外交
外国の大使や公使、参事官、書記官、理事官、総領事、領事などの日本国政府が接受する外国政府の常駐外交使節団、外国政府の領事機関の構成員や国際連合の事務総長、事務次長等が対象となり、具体的な手続きは、駐日外国公館、国際機関などから外務省を通じて行われる場合が多い在留資格です。
⑵ 公用
日本国政府との公の用務のため外国政府又は国際機関から派遣される者、外交使節団や領事機関の事務技術職員及び役務職員などが対象となります。
⑶ 教授
大学又はそれに準ずる機関の教授、准教授、講師、助教などの教員、高等専門学校の教員などが対象となります。
大学には、放送大学や短期大学、大学院なども含まれ、大学に準ずる機関には、防衛大学校や防衛医科大学校が含まれます。
⑷ 芸術
日本において創作活動を行う作曲家、画家、彫刻家などの芸術家、音楽、美術、文学などの芸術上の活動について指導を行う者が対象とされ、収入を伴うことが要件となります。
そのため、収入を伴わない場合には、「文化活動」の在留資格を検討する必要があります。
⑸ 宗教
一般的に聖職者と呼ばれる神官、僧侶、司教、司祭、宣教師、牧師、神父、修道士などが対象となります。
⑹ 報道
対象となるのは、外国の新聞社、通信社、放送局その他の報道機関に雇用されている者で、当該報道機関から報道上の活動を行うために日本に派遣される者や特定の報道機関には所属せず特定の外国報道機関のために報道上の活動を行うフリーランスの記者が対象となり、具体的には、記者、報道カメラマン、特派員などが該当します。
⑺ 高度専門職
「高度専門職」は、「1号」と「2号」とに区分され、いずれも在留期間や配偶者の就労等について、優遇措置がなされます。
⑻ 経営・管理
「経営・管理」の在留資格は、会社経営者が取得する経営ビザと役員などの管理職が取得する管理ビザが一体となった在留資格で、「経営」と「管理」では、要件が異なっています。
経営者として「経営・管理」の在留資格を取得するためには、「申請に係る事業を営むための事業所が本邦に存在すること。ただし、当該事業が開始されていない場合にあっては、当該事業を営むための事業所として使用する施設が本邦に確保されていること。」が条件とされ、その解釈として、継続的に事業に専用できる独立した物理的スペースが求められているとされており、物理的なスペースを持たないいわゆるバーチャルオフィスや、1つの物理的スペースを複数の事業者で共有するシェアオフィスのような形態は、認められない傾向にあることに注意が必要です。
また、事業計画書の提出が求められるなどし、事業計画に妥当性がないと判断される場合には在留資格が認められないことがあります。
その他にも、資本金又は出資の総額が500万円以上であることなどが確認されるため、これらの要件を満たしておくことが大切です。
一方、企業の役員や部長クラスとして「経営・管理」の在留資格を取得するためには、事業の経営又は管理について3年以上の経験(大学院における経営・管理の専攻の期間を含む。)を有することが条件になります。
この資格では、比較的大きな会社の役員や部長クラスの管理職が想定されているため、経営や管理について一定程度詳しいということが求められています。
⑼ 法律・会計業務
外国法律事務弁護士や外国公認会計士のほか、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士の資格を持つ者が対象となります。
⑽ 医療
日本の免許を有する医師、歯科医師、薬剤師、助産師、看護師、理学療法士、作業療法士、臨床工学技士などが対象となります。
⑾ 研究
大学やこれに準ずる機関以外の研究所、試験場当において、もっぱら研究、調査等に従事する者が対象となり、研究調査活動等に必要な人的・物的体制が整備されている状況下で行われる活動のみが認められ、個人的な研究や調査は認められません。
⑿ 教育
小学校、中学校、義務教育学校(小中一貫校)、高等学校、中等教育学校(中高一貫校)、特別支援学校、専修学校等における教師が対象となり、語学教育に限定されません。
⒀ 技術・人文知識・国際業務
就労系ビザの中でも特に利用される頻度の高い在留資格の一つで、機械工学等の技術者や通訳・翻訳者、デザイナー、語学指導者、マーケティングや広報などの業務従事者等が対象となります。
⒁ 企業内転勤
同一企業、同一企業グループ内における日本支社、日本支店等への転勤者が対象となります。
転勤してきた特定の事業所を基盤として業務を行うことが求められ、原則として、入国後に勤務先の事業所を変更することはできませんが、異動先の事務所が経営・管理上一体である場合などには事業所の変更に該当せず、勤務することが認められる場合があります。
一方、転職などで経営・管理上まったく別の企業で勤務するためには、「企業内転勤」の在留資格で就労することは不可能であるため、「技術・人文知識・国際業務」などの他の在留資格へ変更する必要があります。
⒂ 介護
日本の介護福祉士の資格を有する者が対象となり、日本の公私の機関と契約をすることが求められていますが、契約の内容は、雇用契約のみならず、委任契約、請負契約等でも認められます。
⒃ 興行
利用されることの多い在留資格の一つで、コロナ禍では少なくなりましたが、コロナの収束とともに利用者が増えつつあります。
歌手や俳優、プロスポーツ選手、モデル等やこれらのマネージャー、専属トレーナーが対象となります。
キャバレーやクラブなどの飲食店での歌唱及び踊りなどの活動も含まれます。
⒄ 技能
産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する場合に必要とされる在留資格で、外国料理の料理人やソムリエ、パティシエ、外国様式の建設技能者、毛皮や宝石の加工技術者、航空機操縦者、スポーツ指導者などが該当します。
外国に特有の産業分野や日本におけるよりも外国の方が技能水準が高い分野、日本国内に従事する技能者が少ない分野等に限定されています。
日本食(和食)を制作する技術を持った外国人は含まれないこと留意する必要があります。
⒅ 特定技能
就労ビザの中でも特に利用頻度が高いものの一つで、日本において深刻化した人手不足を解消することを目的に、特定の産業分野について創設された在留資格です。
「特定技能1号」と「特定技能2号」に区分されており、2号の方がより専門的な技能が求められています。
就労することができる分野は、1号の場合、介護、ビルクリーニング、建設、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の12分野で、2号の場合には、介護を除く11分野となります。
⒆ 技能実習
就労ビザの中で、最も利用頻度が高い在留資格です。
外国人の人材育成を通じて、日本の技能、技術、知識等を開発途上地域等へ移転し、国際社会の発展に協力することを目的としています。
「技能実習1号」、「技能実習2号」、「技能実習3号」に区分されており、「技能実習1号」の場合には1年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間、「技能実習2号」、「技能実習3号」の場合には2年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間が、在留期間とされます。